【LGBTQ+とは?基本用語から考え方までわかりやすく解説!】
LGBTQ+について知りたい皆さんへ。
この記事では基本的な知識から少し深掘りした内容まで、わかりやすく解説します。疑問を解決し、周囲の方々をよりよく理解する手助けとなれば幸いです。
「家族や友人をサポートしたいけどまだ、よく分からない。」「自分自身を理解したい。」
「セクシャルマイノリティの理解を深めたい。」という方に役立つ情報をお届けします。
この記事をお伝えするのはパンセクシュアルというセクシュアルをもった当事者が書いています。
- 1 LGBTQ+の意味は?読み方は?
- 2 ポイント①”性的指向”と”性的嗜好”は全くの別物
- 3 ポイント②セクシュアリティとは?(性のあり方)
- 4 異性愛にもセクシュアリティはある
- 5 ポイント③セクシュアリティを決める4つの要素
- 6 T(トランスジェンダー)は体とココロの関係
- 7 L/レズビアン(Lesbian)
- 8 G/ゲイ(Gay)
- 9 B/バイセクシュアル(Bisexual)
- 10 同性愛といってもすべての同性が恋愛対象にはならない!
- 11 T/トランスジェンダー(Transgender)
- 12 Q/クエスチョニング(Questioning)
- 13 +(プラス)
- 14 P/パンセクシュアル(Pansexual)
- 15 FTM/エフティエム(Female to male)
- 16 MTF/エムティエフ(Male to Female)
- 17 FTX/エフティエックス(Female to X)Xジェンダー
- 18 A/アライ(Ally)
- 19 A/アセクシュアル(Asexual)
- 20 ノンセクシュアル(Nonsexual)
- 21 セクシュアルマイノリティに共通する悩み
- 22 同性婚を認める法案で心打たれたスピーチ
- 23 まとめ
LGBTQ+の意味は?読み方は?
読み方は【エル(L)・ジー(G)・ビー(B)・ティ(T)・キュー(Q)・プラス(+)】になります。
LGBTQ+は何を表しているかというと
Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダー、Qはクィア/クエスチョニングを表していて、+(プラス)はLGBTQのカテゴリーでないセクシュアリティをもつ人たちのことで、たとえばアセクシュアル(A)やパンセクシュアル(P)の方たちが含まれています。
私はパンセクシュアルPなのでこの+のところに含まれています。
それぞれの各単語の頭文字を組み合わせてLGBTQ+と呼んでいて、性的マイノリティの総称として使われています。
またこれらの人のことをセクシュアルマイノリティー「性的少数者」といいます。
「LGBT」「LGBTQ+」と調べた人の中には、【SOGI】という言葉を見かけた方もいるのではないでしょうか?この言葉にも少し触れておきましょう!より多様な理解が深まります。
【SOGI(ソジ)】LGBTとの違いは?簡単に説明!
近年では「多様性」が重視されるようになりました。そんな中でLGBTという表現にも変化が現れ、
「LGBTQ+だけではみんなの色んなセクシュアリティを表しきれないよね」ということで【SOGI】という言葉が生まれました。
LGBTはレズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスジェンダーなどの当事者を表す代表的な言葉ですがLGBTの中でも色んなセクシュアリティがあります。この代表的な言葉に対しSOGIは
【私たちそれぞれの性的指向、自分の性を表す言葉であり、すべての人が対象】
このすべての人の中には異性愛の人も含みます。
ここから下はLGBTQ+を理解するための大切なポイントと、レズビアンなどのセクシュアル言葉の意味を解決していきます。
ポイント①”性的指向”と”性的嗜好”は全くの別物
性的指向と性的嗜好は全く違う意味だということ。
ポイント1つ目は性的指向と性的嗜好の違いです。
ここを誤解してしまうと心ない言葉で相手を傷つけてしまったり、当事者の方を苦しませることにも繋がります。なので、ここでお伝えする内容をしっかり認識しましょう。
【性的指向(せいてきしこう)】
性的指向とは自分自身が好きになる相手の性別。どの性別の方を恋愛対象としてみるのか。どの性別と恋愛したいか結婚したいか。
性的な関心・魅力をどのような相手に感じるのかということです。
【性的嗜好(せいてきしこう)】
性的嗜好とは何に対して性的な興奮をするのか。
嗜好は「フェチ」「性癖」のようなもので、たとえば「女性のうなじに色気を感じる/興奮する」など。
要するに性的指向と性的嗜好の違いは
【性別(異性/同性/両性)という相手の性別に魅力/性的関心を感じているのか】それとも
【特定の身体的パーツに性的興奮をするのか】ということです。
実体験
指向と嗜好の違いを理解していない母に言われたショックな言葉
この言葉は実際に当事者である私が中学生のときに母親にカミングアウトした時に言い放たれた言葉であり、とてもショックを受けた言葉です。
「同性愛。ん~。。。そういう趣味があるんだ。」
純粋な気持ちで男性が女性を好きになるように、私も純粋な気持ちで人を好きになっただけ。
「異性を好きになるのは普通のこと」これは異性愛者の中の”普通”であり
「同性を好きになるのは普通のこと」これも同性愛者の中の”普通”なんです。
たとえばあなたにお付き合いしている、大好きで心から愛しているパートナー(恋人/交際相手)がいたとします。その相手の性別は異性で自分は異性愛者です。友人や家族に好きな人の存在を知ってもらいたくてお付き合いしていることを明かしたときに
「異性愛って趣味でしょ。」「それって本当に恋愛として好きなの?」「本気なの?」
と言われたら悲しくないでしょうか。
かけがえのない家族や友人に自分自身が否定されたこと、真剣に交際しているパートナーのことを趣味の相手としてみられたこと。
このような言葉で大切な人を傷つけないためにも指向と嗜好の違いは理解しておきましょう。
ポイント②セクシュアリティとは?(性のあり方)
「性のあり方」はどんな人にもある
セクシュアリティ=性のあり方という意味
性のあり方は十人十色で多様でセクシュアリティというのは異性愛の人にもどんな人にもあります。
またセクシュアリティは流動性があるといわれていて、どんな人でも周りの状況やさまざまな要因で性自認や性的指向が変わることもあります。
(過去の私はレズビアンだと認識していて恋愛対象は女性だけでしたが今はパンセクシュアル(性別問わず好きになった人がすき)というセクシュアルに変わりました。)
自分自身が誰に対して恋愛感情、性的指向を持つのか(同性愛/異性愛/両性愛など)、誰に性的魅力を感じるのかを指します。また一人ひとりが自分自身をどのように認識して、表現するのかが性のあり方です。
セクシュアリティの数は?
はい。一色だと思っていた白でも200色あるのと同じでセクシュアリティも覚えきれないぐらいありますし、新しい言葉もたくさんでてきます。
今現時点でセクシュアリティはLGBTQ以外に50~60種類あるともいわれていますが人の数だけ多様なセクシュアリティがあるとも言えます。
白は白でも200色あって、黒だけでも300種類を超えるバリエーションがあるので人間にはもっとあるかもしれませんね。
性のあり方と聞くと難しく感じますよね。でも性のあり方というのはLGBTQ+以外の人にも関わることです。
他人事ではなく自分事ともとらえることができます。なので少しずつでも理解をしておくことが自分自身や身近な人を理解することに繋がります。
完全に理解しなくても「こういう感じね」ぐらいでOK
ここまでの2つのポイントを抑えてポイント③を見てみましょう。と、その前に大多数の異性愛のセクシュアリティについてご紹介します。
異性愛にもセクシュアリティはある
異性愛のセクシュアリティ?
同性愛の女性のセクシュアリティはレズビアン、男女両方が恋愛対象になるバイはバイセクシュアルというセクシュアリティがあるよに異性愛のもこういったカテゴリーを表す言葉があります。それが
【異性愛はヘテロセクシュアリティ/ストレート】
です。異性愛者のことを「ヘテロ」「ストレート」といいます。
「異性に対して恋愛感情や性的な感情を抱く」というセクシュアリティです。
また、ビアンやゲイの方々が異性愛者の人を表すときに「ノンケ」と言う時があります。
ノンケとは同性愛者からみた異性愛者のことで、たとえば町を歩いていて自分好みの人がいた時とかに
「うわ~!タイプ!でもノンケ(その気”同性愛の気”がない)からそもそも脈なしだよね~」という具合に使うことがあります。同性だから相手の目にも止まらない。悲しきかな。。(※使い方や使うシチュエーションは人それぞれです。)
ポイント③セクシュアリティを決める4つの要素
ポイント3つ目セクシュアリティを決める4つの要素
この4つの要素が組み合わさることで一人ひとりのセクシュアリティを作ります。
1つ目の要素【スキになる性(性的指向)】:誰に対して恋愛感情や性的魅力を感じるか。(異性、同性、両性など)
2つ目の要素【ココロの性(性自認)】:自分自身が自分の性別をどのように認識しているのか。(女性、男性、中性、どちらでもない、など)
3つ目の要素【カラダの性(生物学的な性)】:生まれたときに診断された体の性(男/女/インターセックス)
4つ目の要素【ふるまう性(性表現)】:服装や髪型、話し方やしぐさを通じて他人に自分の性別をどう伝えるか(かわいい感じ、かっこいい感じ、中性な感じ等)
=自分は女性として女性が好きな女性同性愛者【セクシュアリティはレズビアン】というような感じです。
T(トランスジェンダー)は体とココロの関係
・Tは性的指向とは関係ない
TとLGBのセクシュアリティの観点の違いは
・トランスジェンダーとは体の性と性自認についてのセクシュル
・LGBとは恋愛対象についてのセクシャル
生まれたときに診断された性別と、自分自身が感じている性別(性自認)が【一致しない】人のことをトランスジェンダーと表現します。逆に
生まれたときに診断された性別と、自分自身が感じている性別が一致している人のことをシスジェンダーといいます。
トランスジェンダーにも様々な方がいらっしゃいます。もっといろんな「○○ジェンダー」などの表現もありますのでこれが一番の正解ではなく、たくさんあるセクシュアリティの中の一つという認識で、考えていきましょう。
以上の基本ポイントを理解した上で、これから下の用語を見ていきましょう!ただ何も知らずに用語を見るのと基礎知識を持って見るのとでは、理解度が大きく異なります。それでは、はじめましょう!
L/レズビアン(Lesbian)
女性が恋愛対象になる女性
・女性の同性愛
女性が女性に対して恋愛感情や性的な魅力を感じる人
レズビアンカップル=女性同士のカップル
G/ゲイ(Gay)
男性が恋愛対象になる男性
・男性の同性愛
男性が男性に対して恋愛感情や性的な魅力を感じる人
ゲイカップル=男性同士のカップル
B/バイセクシュアル(Bisexual)
男性も女性も恋愛対象になる人
・男女両方に恋愛感情や性的な魅力を感じる人
女性で「女性男性どちらとも付き合えます。」
男性で「男性女性どちらとも付き合えます。」というセクシュアリティの方を指します。
同性愛といってもすべての同性が恋愛対象にはならない!
どんな人にも好きになるタイプがある
同性愛者あるあるの1つです。
「同性が恋愛対象なんだよね」と同性の人に言ったときに
「え、私(俺)のことそういう目で見てるの?」
「そんな訳がなかろう!」
同性愛者が全同性を恋愛対象でみて好きに入るとしたら、異性愛者も全異性が恋愛対象で好きという事になります。
人それぞれ好きになるタイプや理想の人がいますよね。年上がいい、年下がいい、外見のタイプや性格などなど
女性が好きな男性であれば「ロングヘアが好き」「ショートヘアがすき」、男性が好きな女性なら「筋肉あるひとが好き」「ヒゲある方が好き」
異性でも、この人は恋愛対象に入らない!異性でもあなたのことは恋愛としてみれません!好きになれません!という人がいると思いますし出会う人、一人ひとり全員にときめいて恋愛感情を抱くこともないと思います。
それと全く同じです。性的指向が同性でも好きなタイプ、そうじゃないタイプがいます。
T/トランスジェンダー(Transgender)
Tトランスジェンダーとは?
・体の性と心の性が一致しない人
「体は男だけど性自認は女性」「体は女だけど性自認は男性」
体の性と心の性が一致している人は「僕は男です。(性自認)男だから体も男です。」「私は女です。(性自認)女だから体も女です。」この感覚が一致している感覚。
心と体が不一致の場合「僕は男です。(性自認)男なのに体は女。」「私は女です。(性自認)女なのに体は男。」このように
ココロが中身で、カラダが外身だとしたら、中身と外身が一致していない。という感じです。
トランスジェンダーには性別適合手術をする人もいればしない人もいます。
Q/クエスチョニング(Questioning)
Qクエスチョニングとは?
・自分自身の性自認や性的指向が定まっていない人
・あえて性自認や性的指向をきめていない人
自分の性自認や性的指向がわからないという方もいれば、あえて決めないひと、決めない方が生きやすかったり決めないことがその人にとって自然体という場合があります。クエスチョニングにも様々なパターンがあります。
+(プラス)
あらゆるセクシュアリティを包括
・あらゆるセクシュアリティ、性のあり方を包括した表現
LGBTQ以外のあらゆる多様な性別や性的指向を含むことを示しています。たとえばパンセクシュアル、アセクシュアルなどLGBTQの表記にあてはまらないたくさんのアイデンティティを含む意味を持ちます。
セクシャルマイノリティ/もう少し深掘りしよう!編
P/パンセクシュアル(Pansexual)
恋愛対象が女性男性だけじゃない人/性的にこだわらない人
・恋愛対象は男性や女性以外にも性自認が両性の人や無性の人などたくさんの方向に性的指向がある人
・日本語では全性愛者と呼ばれている
Bのバイセクシュアルに似ていますよね。
バイセクシュアルは女性も男性も恋愛対象になる人。ここまでは同じです。
パンセクシュアルは女性も男性もその他の性自認が中性の人や両性の人、無性の人など色んな人が恋愛対象になります。
パンセクシュアルの方がよく言うのは「好きになった人が好き」
私自身がパンセクシュアル当事者でこの言葉の意味は本当にそのままで、相手の性別は気にしていなくて自分がすきと思ったひとがすき。好きになった人が結果論「男性だった」「女性だった」「中性の人だった」というだけです。
FTM/エフティエム(Female to male)
FTMとは?
・生まれた時に「女」の性別を割当てられ体の性は「女性」だけど性自認(自分が感じる自分の性別)は【男性]】と認識している人
・トランスジェンダーの中の表現の一つ
Female to male(FTM)を日本語に直すと「女性から男性へ」という意味。
【Female(女性)to(~する)male(男性)】
ただこの「女性から男性へ」というところに、「かつては女性だった」という意味が含まれているのですが
体は女性だけど性自認が「男性」の場合、当事者の方からすると「女性から男性に変わったのではなく自分が感じている本来の自分になった。」と表現される方も多く当事者ではない方でも次のところで少し考え方の視点を変えると「たしかに。」と思えると思います。
出生時の体の性別は「女性」と決められていたけど、自分を女性と認識したことがない。という方たちの立場になったときに
「もともと男なんだけどな。」」「女性から男性に移行したわけじゃない」と感じるのも当然のことかも。と感じるかもしれませんね。
次はFTMの反対、MTFです。
MTF/エムティエフ(Male to Female)
MTFとは?
・生まれた時に「男」の性別を割当てられ体の性は「男性」だけど性自認(自分が感じる自分の性別)は【女性】と認識している人
・トランスジェンダーの中の表現の一つ
MTFはFTMと反対で単語を直訳すると
【Male to Female】「男性から女性へ」という意味になります。
MTFの違う表現の仕方は【FtF】になります。(女性から女性へ)を意味しこの言葉の裏にあるストーリーは先ほど解説したFTMと同じです。
「FtF」「MtM」は「もともと私は女性です。」「もともと私は男性です。」という意味で、変わったのはあくまで外見(身体的性)やジェンダー表現の仕方などであって、自分自身で認識している、自分が感じている性別が変わったわけじゃない。(大人になってから性自認が変わる方たちもいます。)
「本来の、ありのままの、自分が思う自分にもどれた」という感覚での用語になります。
FTM/MTM/MTF/FTF、この言葉も人によっては当然受け止め方が違ってきます。
「FTMの表現の仕方が自分にはしっくりくるな」という方もいればそうじゃない人もいます。これらは周りの私たちが「こういうのを聞いたことがあるからあなたはこうだよ」というものでもありません。どの言葉をどうとらえるかは、当事者自身になります。
FTX/エフティエックス(Female to X)Xジェンダー
FTX・Xジェンダーとは?
Xジェンダーと呼ばれる人にもいろんな人がいます。その一例をあげると
・出生時に「男」または「女」と割当てられたが性自認は中性または両性、無性、不定性という場合です。
【中性】男性と女性の中間地点が自分の認識している性
【両性】男性でもあり女性でもあるどちらの性も認識している
【無性】男性でも女性でもないと認識している
【不定性】自分の性自認が男性女性をいききしたりあるいは中性、両性、無性になることもある性自認が「これ」と定まっていない
これらもいろんなセクシュアリティの中の一部に過ぎず、中性だからこれ、両性だからこれ、というのも断定はできないですし断定する必要もありません。
A/アライ(Ally)
Aアライとは?
・LGBTQ+を支援するストレートな人(ストレートとは異性愛者を意味します。
アライ(Ally)は英語で「同盟者」「支援者」を意味する言葉です。
アライの人自身はLGBTQ+当事者ではないけど、LGBTQ+の権利と平等を支持し、積極的にサポートする方たちのことを指します。
LGBTQ+の人々にとってアライは大切な存在です。LGBTQ+が直面する課題や困難を理解し、共感を示します。これによって社会の意識も変わりセクシュアルマイノリティーと呼ばれる私たち当事者は安心して、自分をありのままに表現できる環境が作り出されます。
A/アセクシュアル(Asexual)
Aアセクシュアルとは?
・恋愛感情の有無にかかわらず他人に性的欲求を抱かない人
この「恋愛の有無にかかわらず」というのは、アセクシュアルの人の中には
・①他者に対して恋愛感情はあるけど性的な欲求を抱かなくてそういった性的な行動をしない人
・②他者に対して恋愛感情も性的欲求も抱かない人
もいる。ということです。また
①の人のことを【ロマンティック・アセクシュアル】
②の人のことを【アロマンティック・アセクシュアル】ともいいます。
この性的欲求を抱かないを違う言い方にすると
「性的なことをしたい」と思わない。性的に興奮したり性的なものやことに魅力に感じない。そこに重視していない。など
ノンセクシュアル(Nonsexual)
ノンセクシュアルとは?
・他者に対して恋愛感情は抱くが性的欲求は抱かない人
アセクシュアルと何が違うんだろうと感じるかもしれませんね。
この2つこそ当事者の方の
心のニュアンスによってアセクシュアルであるかノンセクシュアルであるかの表現の仕方や自分自身の認識が変わります。
当事者ではない方にもう少しわかりやすい表現として
ノンセクシュアルの人は恋愛感情を抱くのに対してアセクシュアルの場合は恋愛感情の有無については言及しないとしています。つまりA/アセクシュアルの人の中には恋愛感情を抱く人もいれば抱かない人もいますよ。ということです。とすると、
セクシュアルマイノリティに共通する悩み
悩みを知ることは、寄り添う力になる
人によって本当に様々ですが、当事者同士で悩みについて話しているときに「この悩みはあるあるなんだな」と思ったものやよくメディアでも取り上げられる悩みや苦悩をここでお伝えします。
1つ目
カミングアウト
「カミングアウト」これは本当に多くの人が必ずと言っていいほど悩みます。
カミングアウトとセットで覚えておきたい言葉が
まだまだセクシュアリティについては認知があさい世の中です。
アウティングは、時に人の命にも関わる行為です。「そんなつもりじゃなかった。」とならないようしましょう。
カミングアウトも一回すれば終わりということもありませんし、カミングアウトした後も悩むことはあります。
言ったことで「今までの自分とこれからの自分は見られ方が変わるのかな。」などカミングアウト一つにしてもたくさんの不安や悩みと向き合うことがあります。
【親/家族に対するカミングアウトほど怖いものはない。】
親/家族に対するカミングアウトほど怖いものない。
この身内にカミングアウトするということは本当にほんとうに勇気のいる行動なんです。
親に「自分の恋愛対象は同性」といったときに親の否定、拒絶されたらどうしよう。という恐怖がやってきます。
「気持ち悪い。」「そんな子に育てた覚えはない。」「ショック。」こう言われたらどうしよう。と。
色んな家庭環境もありますが、子供からすれば親は親で、親の存在というのは子供にとってとても大きいものです。
親がいなければ生きていけない。と思うのが子供ながらに感じていることで(実際に衣食住を養っているのは親なので)
親に否定されるというのは生きることを否定されたような感覚になり想像を絶する以上に辛いものです。
【親に否定された私の実体験と思うこと】
私もカミングアウトした際に親に否定されたうちの一人で、とても辛かったのを覚えています。
親にカミングアウトしたのは中学2年生の時でした。
この年齢って心も体も発達しきっていない時期で、
誰にとっても自分の気持ちを自分で表現するのも難しい時期です。それに、世間のことも熟知できている訳がないので、同性愛についてのことなどほぼ何も分からずにただ「自分は同性が好きなんだ。」という自分の心のなかの声と何となく感じる
世間の同性愛に対しての”異質扱い”を感じ取っていた時期でした。
それに加え反抗期ということも相まって何に対しても”普通”や”常識”といわれるものを押し付けられるのが嫌で自分の気持ちとの葛藤を繰り返しているときに、些細なことで親とぶつかり自分の不満や怒りをぶつけるのと同時にカミングアウトをしていました。
自分でもいうつもりはなかったので、心の準備も言葉の準備もなく気が付いたときにはもう口から言葉がでていました。
そんな中で親に言われたのは「気持ち悪い。」
たったこの一言。
中学2年生の私には大きすぎるショックでした。
親に「気持ち悪い」といわれたこと、自分の生き方を否定されたような感覚。
「同性をすきになって何が悪いの?」と思いつつも何か悪いことをしている気がして
親にカミングアウトすることで「私は悪いことしてないよね?」って確認をしたかったんだと思います。
「悪いこと」をしていないという確信と安心が欲しかったのだと思います。
カミングアウトしてもう数年がたち、親も少しづつ理解しようとしてくれるようにはなり素直に嬉しいという気持ちもありますが、それでもフッとした時の親からでる言葉にはトゲを感じることもありますし、子供の時に傷ついた心がなかなか癒えずことから「本当はあまりよく思ってないんだろうな。」と思う時もあります。そんな中でも
ココロがポジティブ(?)な時の私は
「まぁ親は経験していないことだし、時代も時代だし、理解できる人がいるという事は理解できない人もいるよね~。理解できないと言うことを私が理解してやるよ。」と強気でいることもあります。(反抗期も持続中かも。)
【友人/知人/にするカミングアウト】
友人/知人に対するカミングアウトもかなりの勇気のいる行動です。友達や知人にカミングアウトすることで
・友達の関係が崩れたらどうしよう。
・もしクラスで広まったらどうしよう。いじめの対象になったら…
・これから見られ方が変わるかな。
などたくさんの不安がでてきます。
カミングアウトできる友達というのは本当にごくわずかな場合が多く信頼関係の厚い友達にカミングアウトまたは相談することが多いです。
大切な友達だからこそありのままの自分を知っていて欲しい。でも
「このことを言ったら友達で居られなくなるんじゃないか。」
自分のことを話すことで今までの何年という仲がきっぱり切れてしまうんじゃないか。と、人間関係でも悩んでしまうことがあります。
また中学生高校生の学生であれば、男女友達同士が異性として意識して見始める時期でもありますし、自分自身のセクシュアリティのことだけど自分でも悩んでいて、はっきり分からないから、同性を恋愛対象として意識したことがなければ同性愛についてほとんど考えたこともないない友達はもっと未知の世界のことなので友達にいうタイミングはすごく迷うところです。
友達や身近な人にカミングアウトされたらどうしたらいい?
もしあなたがそのカミングアウトしてきた友達や身近な人に対して
「別にいいんじゃない?」と思っているのであればそのまま伝えてあげてください。私は友達に
「別にいいんじゃない?誰を好きになるとか自由でしょ」
と、この一言だけで本当に心が救われました。
【肯定できない場合は?】
これはセクマイ当事者の一人として、一個人としての想いにはなってしまいますが、参考になればと思います。
私は「肯定、理解ができない人もいて当然のこと。」と思っています。「理解したい」と思う人もいれば、そうじゃない人もいる。どちらが良い、悪いではなく「理解できる」「理解できない」というのも個人の気持ちであり自由であればいい。と思います。自分の意志を押し殺してまで理解する必要もないと思います。
肯定できない場合は、無理してまで相手を肯定する必要はないですが必要以上に相手を否定する必要もないかなと思います。
「そうなんだ。」この言葉には必要以上の肯定も、必要以上の否定も含まれていません。
自分と相手の気持ちに”気持ちの自由”適度な距離感のある言葉で伝えられるのが大切だと思います。
結婚など法律の苦悩
これはパートナーがいる方や、子供のことなどを考えている同性カップルにとっては大きな問題です。
2024年の現在で、日本という国では異性カップルの方々のよう結婚は認められていません。
G8の中で同性婚を認めていないのは日本とロシアのみでG7の主要7ヵ国の中では日本だけが唯一同性婚を認めず、明確な法的保護も与えていない。という状況です。
パートナーシップと結婚とは違うの?
パートナーシップとは
同性カップルや事実婚のカップルに対して法的な結婚とは別に、一定の法的権利や社会的認知を与える制度を指す。
この法律的なところが異性カップルの結婚とは違い
「え、パートナーとして認められているのにこんな事も許されないの?」というたくさんの問題があります。たとえば
病院での面会や立ち合いの権利がない。
上記でもお伝えしたように日本では同性婚が認められていないため、いくつかの自治体が「パートナーシップ証明書」という制度を導入しています。この制度を利用することでようやく病院での面会などが認められますが、それでも取り上げた問題のすべては解決できません。
この「パートナーシップ証明書」というものも
「法的結婚との同等の権利をすべて提供するものではない」とされています。
相続権や税制上の優遇措置、社会保険の適用範囲は依然として制限されている場合が多いこととパートナーシップ証明書を導入しているところも限られているため問題解決にはまだまだ時間がかかりそうです。
当事者の方々は”普通の幸せが欲しい”
とはこういった権利をもらえることを求めてる。という心の声も含んでいます。
同性婚が認められ誰もが国から受けれる権利をうけれる世の中になればいいなと思います。
同性婚を認める法案で心打たれたスピーチ
2013年にニュージーランドで行われた同性婚の法案を求める国会議員のスピーチの内容です。
ユーモアたっぷりの言葉で読むだけでも面白いです!ぜひご覧ください。
愛し合う2人の人が結婚できるようにしよう。
ただそれだけです。
外国に核戦争をしかけるわけでも、農作物を全滅させるウイルスをばら撒くわけでもありません。
ただ愛し合う2人に結婚という手段を認めるだけです。
何か問題でしょうか。お金もかからないのに。
異質なものを遠ざけたいのは分かります。
いいんですよ。我々みんなそんなもんですよ。
でも、反対されるみなさんにお約束しておきます。決して反故しない約束です。
(この法案が成立されても)
明日からも太陽が昇ります。
明日からも生意気な娘さんに口ごたえされます。
ローンの金利はあがりません。
皮膚病やら、湿疹、布団からカエルが飛び出すこともありません。
明日からもただ毎日が続くんです。この法案は当事者からすれば素晴らしいもの。
残りの我々からすれば昨日と同じ日々が続くだけです。
それから届いた意見をもう一つ紹介させてください。
「同性婚法案のせいで干ばつが起こった。」
(この意見に対しての返答)
でも私のTwitter(X)を見た方はご存知だと思います。
今朝は土砂降りだったんですよ!雨があがったら
大きな大きな虹、ゲイ・レインボーがかかりました。
これは何かいい知らせなのではないでしょうか。
あなたが信じるならきっと。
この動画が気になる方は
【ニュージーランド 同性婚法案スピーチ】で検索してみてください。
実際の動画ではユーモアの雰囲気も感じれて、面白いと思います!
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
この記事ではLGBTQ+の意味やセクシュアリティのあり方、基本的な考え方、用語について解説させていただきました。
私自身LGBTQ+当事者の一人ですが、当事者同士で話をしていても「知らなかった!そういうセクシュアルもあるんだ」と気付くことも多々あります。セクシュアル全部を覚える必要はないしできないし、無理にカテゴリーに当てはめる必要もないし一人ひとり「あの人はあの人」という感じで思えれば「当事者」という特別感のある言葉もなくなって気楽そうだなぁ。と思っています。
読まれた方がなにか一つでも発見できたこと、疑問に感じていたことが解決できたなどあれば嬉しいです。
このサイトでは主に女性同士の恋愛や大人の内容を取り扱っていますが、たまにこういった真剣な記事も書いています。
気になる!という方はぜひぜひこのサイトをお気に入りに追加していただけると嬉しいです。【サイト名/Tachiの部屋】